Rigil_01
一晩中、晴れ予報の出ている日だった。
ボーっと眺めていると、流れる雲が、稲光で照っているのが見える。
まったく..山の天気は、これだから面白い。
とはいえ、さすがに相手が雷となると、既に2台分セットした機材を撤収するか、少し迷ったが..
どうせ朝まで外にいるだろう自分の姿を、ふっと可笑しく思い浮かべながら、
状況判断することに決め、そのまま撮影を続けていた。
あちこちで湧き立ち、うごめいていた雲たちは、
一斉に目標を定めたかのように、たちまちこちらへ濃霧を連れてきて、何度も視界が閉ざされる。
ホワイトアウトが長すぎて、霧の向こうにうっすらとオリオンが見えるだけで、思わず興奮してしまうほどだった。
結露を確認すると、ヒーターを付けていない方のレンズは、ボディごと真っ白に凍り付いている。
そうか..そうだよな。もう、そんな季節なんだな..。
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とある初冬の夜のこと。
移りゆく時の中の、小さな欠片。
夜明けへの誘い。
by akkophoto1201
| 2016-11-17 01:50
| Night